Police Bastard

つい数日前の出来事。

DOOMの「Police Bastard」のＴシャツ（残念ながらブートだ）をその場で着ていなかった自分が残念でならない出来事あり。
職質である。

社の最寄り駅改札を出た刹那、
人類進化途中経過のようなオッサンと若者に呼び止められた我。
オッサンが汚い手で馴れ馴れしく我の肩を叩く。
その時我は、Bluetoothワイアレス・ヘッドフォンでLETHALというスラッシュ・メタルを爆音で聴いていた。
「何だよ！折角素敵なクランチ・リフを堪能してるのに！」
と思いながら特に慌てることなく停止ボタンを押す。
すると轟音から駅構内の喧噪にBGMは変化。
その喧騒に塗れながら、オッサンの若干ハイトーンな歌声が耳に射し込んだ。

「あのね警察♪ぽりす♪」

気味の悪い作り笑顔から放たれたそのフレーズに、
『スロー再生したら後期DISCHARGEのあの曲のコーラスになるに違いない！』
と、どうでもいいことを思いつつ足を止める。

「そのバッグちょっと開けてもらえるかな？」

オッサンはまるで親戚のジジイのように馴れ馴れしく言う。
斯くして、数年ぶりに体験する職務質問という儀式が始まった。

最中、オッサンは我の２時方向、若いのは８時方向に位置し、
若干前傾で左右に素早く動ける姿勢をとっている。
『良く訓練された○ヌだ』と思いながら無言で鞄を開放。
オッサンが小さな内ポケットまで細かくチェック。
無論、内容物は雑に戻す。
それを随時我が正しく直すと若造が、

「あっ、位置とかありますよね～スミマセン」

と、事後だが謝っておけばぶっちゃけオッケティング（ファイアボール）だろ的な言葉を吐く。
そんな不愉快極まりない儀式の途中、

「ココ通行の邪魔だから端に寄ろうか？ねっ？」

『おまえがここで開けろったんだろうがクソ袋』
と思いつつ、中途半端に開放した鞄を我が持ちつつ移動。

その後、我にとってどうでもいいやりとりが続き、
質問の殆どに「えぇ、Ａ、Ａ～」と機械的に答えていたので記憶ナシ（決して『ハイ』とは言わなかったよ（一輝）兄さん
鞄を調べ終えて満足したオッサンは、

「もう他に無いよね？大丈夫だよね？うん！」

と、幼稚園児的に可愛く（オッサンだが）勝手に納得。
そもそも何も出てきてないが。
仕舞に若造が、

「そのヘッドフォン、ワイアレスなんですね？スゴいなぁ～
ではスミマセンでした！気をつけて！」

と、どこの白痴かと思う台詞にて終了。

何故か腰に下げた大小３つのポーチ類はスルーのまま。
鞄は念入りだったので、多分もっと簡単に何か出そうな奴だと値踏みしていたのだろう。
恐らく“布パッチを無数に縫い付けたパーカーに尖ったアタマ+強度の高そうな鞄”という見た目だけで。
ところがだ。怪しいものは何も出てこず、
更に、見た目からは想像がつかなかった『実は出勤前のリーマン』と言う事実と合わせ。
確実に『なんだスカかよ』と途中で飽きた。
特にボディチェックも無かったので多分間違いない。
『ジャパンのポリス、ハンパナイ！（マヌケ』と、
常に相手と一定の距離を置き、いつでも得物を抜ける姿勢で対応し、
トンファ片手にボディチェックを行うアメリカン・オフィサー（別に讃えてはいない）に笑われそうなgdgd感である。

実はバックサイド・ホルスターにガバがコックアンドロックで、
左手首裏にはGT（ナイフ）が...
とかだったら我も相当素敵なサムシング満載のアウトローだが、
銃刀法の網が狭まった昨今そんな間抜けなことはしない。
小型のシュアファイアですら没収されるだろうし、
クズ共が得物で無茶を多発する昨今、そういう自衛手段は放棄した。
まぁ、我の知人であれば財布にキャッシュカード型ナイフを仕込んだり、
ポーチの内ポケの見つけにくい場所にベクターなりレディホーク（共に小型ナイフ）を仕込むかもしれない。

兎に角、
不完全なリチュアルは終焉を迎え、
我は会社へ５分遅刻した。
職務質問で遅刻しましたなど言えるわけもなく、
脳内で俺ジナル電車遅延を起こし、
オスカー像がいただけそうな勢いで上司へ理由を報告した。

教訓。
体で覚えた動きは冷静かつ明晰な頭脳がなけれは役に立たない。

あ～うんこうんこ（山崎ピャウ先生